医療の現場は、常に時間に追われ、緊張感の中での判断が求められる職場です。そんな中で「スタッフが安心して働ける環境づくり」は、患者さんへの質の高い医療サービスを
提供するためにも欠かせません。

そのカギとなるのが「心理的安全性」です。

心理的安全性とは、「この職場では、自分の意見を言っても大丈夫」「失敗しても責められず、次に活かせる」と感じられる状態を指します。
これはGoogle社の研究でも明らかになっており、チームの成果を左右する最も重要な要素のひとつとされています。

医療現場では、スタッフ間の情報共有や報告・相談のしやすさが安全性にも直結します。
つまり、心理的安全性の高さは「医療の質」と「職員の定着率」を同時に高める土台と
なるのです。

心理的安全性の高いクリニックには、共通する特徴があります。
次のような環境づくりができているか、ぜひ振り返ってみてください。

• 感謝と承認の文化がある
  日々の小さな努力を認め合い、「ありがとう」を伝える職場は、信頼関係を育てます。
  
• ミスや意見を受け止める風土がある
  ミスを責めるのではなく、「なぜ起きたか」「どう防ぐか」を一緒に考える姿勢が大切です。
  
• コミュニケーションが上下双方向にある
  院長からの一方的な指示だけでなく、スタッフの提案や想いにも耳を傾けることで、組織の活力が生まれます。
  
• 明確な役割と期待が共有されている
  「何を求められているか」が明確であれば、スタッフは安心して行動できます。

心理的安全性を高めるために、経営者やリーダーとして実践できることがあります。

1. 「聞く姿勢」を示す
   すぐに評価やアドバイスをせず、まず「聴く」。それがスタッフにとっての安心の第一歩です。
   
2. 失敗を前向きに扱う
   ミスが起きた時には「人」ではなく「仕組み」に目を向け、再発防止策を共に考える姿勢を持ちましょう。
   
3. 目的を共有する
   「このクリニックで、どんな医療を提供したいのか」という院長の想いを言葉にし、チームで共有する。
   
   目的が共有されると、仲間意識と責任感が自然に生まれます。

クリニックの雰囲気は、院長のリーダーシップと日々の関わり方で大きく変わります。
心理的に安心できる環境を整えることは、離職防止だけでなく、患者さんへの信頼にも

つながります。

「スタッフが安心して働ける職場づくり」は、“よりよい医療の提供”の第一歩。
今日からできる小さな一歩として、まずは「ありがとう」を伝えることから。

今までも伝えていただいていると思いますが
さらに、どんなことに感謝しているのか？
具体的に伝えることもプラスしてみてください。