\代表の日常発信中/
「スタッフが自走する組織」を育てるために——ティーチングとコーチングの使い分け
目次
- なぜスタッフが“指示待ち”になるのか
- 「ティーチング」で基盤を整える
- 「コーチング」で考える力を引き出す
- バランスが生む“自走する組織”
- 院長自身が変化の起点になる
- まとめ:育てるのは「人」ではなく「関わり方」
1. なぜスタッフが“指示待ち”になるのか
「言わないと動かない」「教えても続かない」。
多くの院長先生が感じるこの課題は、スタッフの意識の問題だけではありません。
実は、関わり方のスタイル——つまり“ティーチング”と“コーチング”のバランス——
が大きく影響しています。
どちらかに偏ると、スタッフの成長は止まります。
教えるだけでは受け身になり、引き出すだけでは方向性を失う。
「導く」と「任せる」のバランスが組織を育てる鍵です。
2. 「ティーチング」で基盤を整える
ティーチングは「知識・技術・基準」を確実に伝える方法。
医療現場の安全・精度を支えるための基本の型づくりに欠かせません。
有効なのはこんな場面です。
- 新人や経験の浅いスタッフへの教育
- 明確な基準を示す必要があるとき
- 組織として統一したルールを徹底したいとき
ティーチングは“やり方、方法を伝える指導”。
ただし、これだけでは「考える機会」が育ちません。
3. 「コーチング」で考える力を引き出す
コーチングとは、“引き出す”アプローチ。
スタッフの中に「自分で考えて動く力」を育てます。
たとえば、こんな問いかけが有効です。
- 「このケース、あなたならどう判断する?」
- 「次に同じことが起きたら、どうなるといい?」
成長段階にあるスタッフや、判断・応用が求められる場面では、
ティーチングよりもコーチングが力を発揮します。
スタッフの経験や知識の中から
どうなったらいいのか?
どうするといいのか?
考えて、自ら行動の計画を立てる。
ティーチングが“型”を整え、コーチングが“思考”を伸ばす。
この2つの組み合わせで、スタッフは自ら動けるようになります。
4. バランスが生む“自走する組織”
ティーチングとコーチングは、どちらが正しい・優れているというものではありません。
大切なのは、状況と相手の成長段階に合わせて使い分けること。
基礎を教え、考える機会をつくり、実践の中で信頼を重ねる。
それを繰り返すうちに、スタッフは「自分で判断し、行動する」段階へ進みます。
結果として、院長がすべてを指示しなくてもまわる**“自走する組織”**が誕生します。
5. 院長自身が変化の起点になる
スタッフを変えようとする前に、まず院長の関わり方が変わること。
この意識が組織文化の再構築につながります。
関わりを「指示・教育」から「対話・成長支援」へ。
そのシフトが現場の雰囲気を変え、
「自分ごととして動くスタッフ」が増えていきます。
6. まとめ:育てるのは「人」ではなく「関わり方」
スタッフ育成は、“教えるスキル”だけでは完結しません。
「どんな言葉を選び」「どんな問いを投げかけるか」。
つまり、人を育てるのは関わり方そのものです。
ティーチングとコーチングを適切に使い分けることができれば、
院長の負担は軽くなり、スタッフは自ら成長していきます。
「自走するチームを育てたい」——
その第一歩は、院長の関わり方を見直すことから始まります。
